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ハードジェルとソフトジェルの違いは?メリットやデメリット

ネイルサロンの施術メニューで常識のジェルネイル。
現在は各メーカーがしのぎを削り商品開発に取り組んでいます。
「浮かない」「自爪が痛まない」「オフが簡単」など、さまざまな謳い文句が並び、どのように選べばいいのか迷ってしまいますよね。
今回は、ジェルネイルを施術する上での基礎中の基礎、ハードジェルとソフトジェルの違いと特性について解説していきます。
目次
ソフトジェルとは?
ソフトジェルとは、ソークオフジェルとも呼ばれます。
オフをする際にアセトンなどの溶剤で溶かして除去をすることができるジェルネイルです。
後述するハードジェルに比べて、硬化後の仕上がり感に柔軟性があることからソフトジェルと呼ばれるようになりました。
付け心地もアクリルのように厚くなく締め付け感も少ないです。
現在、ほとんどのネイルサロンで施術しているジェルがこのソフトジェルになります。
ハードジェルとは?
ハードジェルとは、ソフトジェルとは異なり素材の特性上アセトンなどの溶剤で溶けないタイプのジェルネイルです。
ソフトジェルに比べて柔軟性が少なく仕上がり感に硬さがあるのでこの名前で呼ばれるようになりました。
施術方法にもよりますが、付け心地はソフトジェルに比べると少し締め付け感があるかな?という感じです。
実はジェルネイルの歴史としては、ハードジェルの方が先に生まれた商材になります。
ソフトジェルのメリットとデメリット
ソフトジェルのメリットはなんといっても溶剤でオフができることです。
アセトンなどの溶剤をコットンに含ませてアルミホイルで巻き数分放置すると、皮がむけるような浮いてくるような感じになります。
それをやさしくメタルプッシャーなどを使用してオフをします。
ハードジェルの場合は溶剤で溶けないので、ひたすら削り取るしかありません。
ネイルマシーンなどを使わないと、手で削る場合は結構大変です。
ソフトジェルのデメリットとしては、厚みや長さ、硬さが出せないことです。
爪がもともと薄かったり痛んでペラペラの人はジェルが施術後すぐに浮いてきてしまうことがあります。
このような人にソフトジェルを塗り重ねて厚みを出しても、見た目の厚さはつきますが素材の特性上強度が増すわけではありません。
これを勘違いして、「ジェルはなんでも厚塗りすると長持ち」と思っている方が多くいます。
また、ジェルスカルプチュアやジェルチップオーバーレイなど長さ出しをする施術も強度がないので耐久性に欠け向いていません。
ハードジェルのメリットとデメリット
ハードジェルのメリットは厚さや強度が出せることです。
先ほどソフトジェルのデメリットでお伝えしましたが、自爪が薄い・弱い人はハードジェルで補強をすると硬さが出てくるので、ぶつけても土台である自爪が動くことがなく中浮きなどを防ぐことができます。
また短い爪をジェルで長さ出しをしたいときなど、ハードジェルならしっかりと長さを出すことができます。
(但しハードジェルといってもジェルには変わりないので、かなり長さを出したい場合はアクリルスカルプチュアが適しています)
ハードジェルの方が顕微鏡レベルで拡大した場合、素材の粒子がとても細かいため、ソフトジェルよりもかなりの光沢・ツヤが出ます。
手触りも気持ちいいです(笑)
デメリットは唯一、オフがしづらいという点でしょうか。
成分について
実は、ソフトジェルもハードジェルもベースとなる成分に大きな差はありません。
細かい成分の話は割愛しますが、ざっくりとした違いは分子の結合点の違いです。
簡単に言うと、このような違いがあります。
ちなみに、アクリルスカルプチュアもとても強度があります。
なのに溶剤でオフをすることができます。
これは一体どういうことなのでしょうか?
アクリルの場合ジェルとは異なりパウダーとリキッドから作られるため、分子に隙間が多くあります。
これにより強度はあるけれど溶剤が浸透する、という現象が成り立つのです。
最近多いセミハードジェル
各ジェルメーカーの商品を見ていると、最近多いものに「セミハードジェル」と表記されているものがあります。
これは、溶剤で溶けなくはないけれど、オフがしずらいジェルです。
もしくは、ハードほど硬くないけどソフトよりは強いジェルです。
イクステンションジェルや、大きめのストーンなどを固定するパーツ用ジェルに多くみられます。
特に仕上がりのトップジェルにこのセミハードを使用すると通常のトップジェルよりもツヤと耐久性が増すことが多いので、多くのネイルサロンで取り入れられています。
サロンワークでどのように活用するか?
ソフトジェルとハードジェルはどちらが良い悪いということではなく、それぞれの特徴を知った上で、お客様の爪に適した施術方法をご提案するということが大切です。
先ほどソフトジェルのメリットデメリットの項目でも話しましたが、爪がとても薄くなってしまっている方は両者を併用し、ハードジェルを一層挟んであげて中浮きを防いだりすることもあります。
アクリルスカルプチュアのジェルコートは、ブラシタイプのハードジェルで仕上げるとツヤも耐久性も良くなりますよ。
オフをするときは表面をファイル後、溶剤でオフできます。
このような組み合わせての施術にはメーカーごとの相性がありますので、日頃から各ジェルメーカーの情報収集を心がけましょう。
ジェルオフ、スピードを優先していませんか?
注意したいのがオフの仕方です。
最近はマシーンなどで表面をほとんど削り、最後のベースの層くらいになったら溶剤にくるんでオフをし時間短縮、というところも多いようです。
しかし一番最後に自爪が見えてきたとき、ついメタルの先でグイグイむしりとったり、そのあとの毛羽立ちを、スポンジバッファーを何度もかけてならしてしまっていませんか?
確かに施術としては楽ですが、それを繰り返してしまうと数ヶ月後には自爪はペラペラに薄くなってしまいます。
私の場合、サロンワークではオフとプレパレーションに一番時間をかけます。
メタルの力加減や表面の毛羽立ちを見極めながらオフをします。
ここを丁寧にしてあげると、長期間つけていても爪が薄くなるということがないので、お客様を失客することも少なくなります。
それぞれの特徴を理解してお客様に合った施術を!
ひと言にジェルネイルといっても、アートや技法だけでなく、成分や構造など座学の部分をきちんと理解して使用すると、最大限に効果を発揮できます。
施術する際には、お客様の爪の状態をしっかりと見極め、ライフスタイルや手の扱い、求める仕上がりが厚さなのか?持ちなのか?をしっかりとカウンセリングして、最小のダメージで最大の仕上がりを目指しましょう。